頭痛やしびれの原因に?タバコに含まれる一酸化炭素の体への影響とは
タバコには数えきれないほど多くの化学物質が含まれており、有害とされる成分も多数存在します。その中でも特に毒性を持つ物質が、ニコチンやタールと並んでよく知られる一酸化炭素です。
今回は、一酸化炭素とは何か、また健康にどのような影響を与えるのかなどについてご紹介します。
一酸化炭素とは
酸素が不十分な環境で、炭素が燃焼した場合に発生する気体が一酸化炭素です。タバコの煙には一酸化炭素が1%~3%程度含まれており、主流煙よりも副流煙の方が5倍近くも一酸化炭素の含有量が多いことが確認されています。
一酸化炭素は、体内酸素を運んでいるヘモグロビンと結合しやすい性質を持つため、一酸化炭素量が増えると体内の酸素量が減ってしまいます。一酸化炭素がヘモグロビンと一度結合すると、3時間~4時間は解離しません。したがって、喫煙から4時間以内に再び喫煙する習慣がある方は慢性的な酸欠状態になっている可能性があります。一酸化炭素が原因で酸欠になる症状を一酸化炭素中毒と呼び、重篤な症状を引き起こすことで有名です。
健康への影響
一酸化炭素中毒になると、不足している酸素量を補おうと血中の赤血球が必要以上に増加し、この結果、血管が詰まって起こる症状が動脈硬化です。動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気に至ることもあります。
また、動脈硬化の他にも見られる症状を軽度・中度・重度の3段階に分けてご紹介します。
軽度
軽症の場合は頭痛・しびれ・疲労感・倦怠感・めまい・吐き気などの症状も低酸素状態が原因です。
中度
中程度の症状に至ると日常生活で判断力や注意力が低下し、ミスを引き起こしやすくなります。中程度ながらもその症状は重く、ときには失神を引き起こすことがあり、日常生活における大きな障害となるため注意が必要です。
重度
重度になると、意識障害が起こることもあり、昏睡状態や最悪の場合は死に至るケースも考えられます。
特に冬場は、タバコの煙に加えてストーブやファンヒーターなどで石油やガスを燃焼する機会が増えるため、こまめな換気を忘れると一酸化炭素中毒を引き起こす危険な状態になりかねません。
健康被害のリスクを減らす
タバコの主流煙や副流煙に一酸化炭素が含まれているため、喫煙を習慣にしていると常に一酸化炭素が体内に存在することになります。さまざまな健康障害を回避するためには、体内に取り込む一酸化炭素の量を減らすことが必要です。
そのためには、喫煙者は禁煙をすることが、非喫煙者は喫煙環境の近くになるべく近づかないことが、すぐに取れる対策方法となるでしょう。
特に喫煙者は、禁煙を長く続けることで肺がんなどを含む、健康被害のリスクを軽減することは可能です。ただし、禁煙によるさまざまなリスク改善効果が、実際に感じられるまでには10年から15年ほどかかるとされていて、多くの方が諦めてしまう傾向にあります。禁煙を始めたその日からリスクの低減は始まっているため、将来的な健康を考えるならば我慢して禁煙を継続しましょう。
おわりに
タバコに含まれている一酸化炭素は非常に危険な物質で、習慣的に喫煙している方はすでに一酸化炭素中毒に陥っている可能性があります。
少しでも健康への被害のリスクを軽くするためには、禁煙した方が良いでしょう。いきなり禁煙することが難しければ、ニコチンガムやパイプ型禁煙グッズなどのタバコの代替品を利用する方法もあります。禁煙を考えつつも迷っている方は、一度利用してみてはいかがでしょうか。
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