タバコを吸うとトイレに行きたくなる!喫煙と便意の関係性はあるのか?
タバコを吸うとトイレをしたくなるという方は多いかもしれません。もしかしたら、タバコを吸ってからトイレに行く流れが、それとなく習慣になっている方もいるのではないでしょうか。今回は、タバコとトイレにはどのような関係があるのかについてご紹介します。
タバコを吸うとトイレに行きたくなる理由
日常的に喫煙している方は、タバコを吸うと便意をもよおすという経験がありませんか?
その理由は大きく以下の2つに考えられます。
血管収縮作用
タバコには現在分かっているだけでも約200種類以上の有害物質が含まれています。つまり、タバコを吸うという行為は、体にとって有害物質を取り込む行為だともいえるでしょう。有害物質の中でもニコチンは、血管収縮作用を持つ物質です。
タバコを吸うと、私たちの体内ではニコチンの作用によって脈拍や血圧が上がり、全身の動脈が狭くなることが分かっています。これが、血管収縮が起こっている状態です。動脈を流れている血液が滞ると、全身に酸素が行きわたりにくくなるため、心臓を含む臓器は生命活動を維持するためにより活発に機能する必要が出てきます。
そして、重要な臓器である胃腸も例外ではなく、タバコを吸うと必要以上に活発になってしまい、便意をもよおすことにつながるそうです。
もちろん、便を出すこと自体は体に悪いことではありません。しかし、タバコを吸ったあとに便を出すという流れが染みついている場合は、体の正常な機能によって排便されているわけではなく、ニコチンの血管収縮作用によって、習慣的に排便活動を起こしている結果である可能性があります。
脳の錯覚
タバコを吸うことで満腹感を持った経験がある方もいるかもしれませんが、便意をもよおす原理も同様だと考えられます。ニコチンは脳の視床下部にある満腹中枢を刺激し、空腹感を満たす作用があり、食事が体内に入ったと脳が錯覚すると胃腸も消化活動を始めるため、結果的に排便につながるのです。
しかし、本当は胃腸の中に食べ物がそれほど入っていない状態でも排便しようとすると、体には無理な負担が掛かってしまいます。
タバコを吸っていた方が快便なのか?
喫煙者の方で、タバコを吸わないとトイレに行けなくなっている方は、体がニコチンによる血管収縮を待たずに排便することを、許しにくくなっているかもしれません。これは、タバコが1種の便秘薬のような状態になっているともいえます。
ですが、ニコチンには腸内環境を悪化させる作用もあるため、喫煙を続けていると腸内の悪玉菌が増え、腸の蠕動(ぜんどう)運動を鈍らせ、結果的に便秘になることも考えられるのです。
したがって、タバコを吸っても便秘の解決にはなりません。むしろ、吸い続けることで便秘になる可能性すらあるため、便意をもよおすからといってタバコを便秘薬代わりだと思っている方には、禁煙をおすすめします。
禁煙すると、体内のニコチンの影響力は3日程度で薄まるとされているため、便秘に悩んでいる方は、まず3日以上禁煙して体内からニコチンを出した状態から便秘対策をしましょう。
いきなり禁煙というのは困難であるため、少しずつ本数を減らすことから始めるようにするとやめやすくなります。
おわりに
タバコを吸うとトイレに行きたくなる原因は、ニコチンによる血管収縮作用や脳が満腹感を得たと錯覚することにあります。
便意を感じやすくなることを逆手に取って、タバコを便秘解消に利用しているという場合は、根本的な解決にはならない上に、かえって便秘を悪化させることにもなりかねません。
いずれにせよ、喫煙のあとに便意を感じるということは、体が確実にニコチンの影響を受けているという証拠です。
健康被害を最小限に抑えるためにも、これを機に禁煙に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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