禁煙で肺は浄化される?タバコをやめてから肺がきれいになるまで
健康をテーマにした番組などで、非喫煙者の肺と喫煙者の肺を比べるような企画が行われているのをご覧になったことがある方も多いと思います。ご存知のとおり、喫煙者の肺はひどく黒ずんでおり、どう見ても健康そうには見えません。海外のタバコのパッケージには、黒くなった肺のビジュアルがプリントされており、タバコの危険性をアピールしています。
禁煙を始めると、喫煙者の肺はきれいな状態へと浄化されていくのでしょうか。また、どれくらいの期間を要するのでしょうか。
今回は、禁煙による肺の浄化についてご紹介します。
禁煙で肺はきれいになるの?
喫煙によって黒ずんでしまった肺が、禁煙によってきれいになることはあるのでしょうか。人の肺はもともとあざやかなピンク色です。ひとまずこの状態になれば、きれいになったといえるでしょう。
しかし、肺がきれいなピンク色を取り戻すまでは、禁煙から7年程度の期間が必要だといわれています。禁煙による肌や体力への好影響は、禁煙開始後に間もなく現れてきますが、肺はタバコによるダメージをダイレクトに受けている臓器のため、きれいになるまでには長い期間がかかってしまうのです。肺をきれいにするためには、少しぐらいの禁煙では意味がないことがわかります。少しずつ肺がきれいになっていくことを忘れずに、根気強く禁煙と向かいあっていく必要がありそうです。
肺を「きれいにする」のと「浄化する」のは意味が異なる
上述のとおり、禁煙から7年も経過すると黒ずんだ肺は元のピンク色に戻ります。しかし、喫煙によって汚れていた肺がきれいになるのと、肺が「浄化」されることは同義ではありません。肺がきれいになったとしてもまだ喫煙による肺がんなどの病気罹患リスクがなくなったわけではないのです。
喫煙者が非喫煙者と同じレベルの病気罹患リスクを取り戻すためには、10年程度の禁煙期間が必要だといわれています。この期間はあくまで目安であり、実際には喫煙してきた年数や、どれくらいの本数を吸っていたかによって変わってくるようです。
浄化にかかる年月の目安を求めるために「1日に吸っていた箱数×吸っていた年数×2」という数式が用いられます。1日1箱ペースで10年吸っていた方なら、浄化までに20年かかってしまう計算になります。ピンク色になった肺は一見健康そうに見えますが、タバコの毒素を完全になくすのは、そう簡単ではありません。
「浄化された肺=非喫煙者の肺」ではない
先にご紹介したとおり、肺が浄化され、非喫煙者と同じ程度の病気罹患リスクに戻るためには、非常に長い時間がかかります。しかし、そこまで時間をかけて浄化した肺も、決して非喫煙者の肺のように健康な状態とはいえません。
いくら肺がきれいなピンク色になったとしても、そして浄化されたとしても、過去に喫煙していたことのある人の肺は、完全に元の状態に戻ることはありません。喫煙は肺にとって、それほどリスキーなことなのです。
おわりに
肺の浄化には、10年、もしくはそれ以上という非常に長い時間がかかります。また、長い時間をかけて取り戻した、きれいで浄化された肺も、完全に元通り、という状態ではありません。しかし、喫煙をそのまま続けていても肺はダメージを受け続けるだけです。
一度傷ついた肺であっても、努力次第で限りなく健康な状態に近づけることは可能なため、そのことを忘れず、禁煙のモチベーションにつなげてください。
禁煙を諦めてしまえば、またそこからリセットとなり、健康な肺を取り戻すためにさらなる時間がかかってしまいます。くじけそうになったときは、喫煙者の肺の真っ黒なビジュアルを思い出しましょう。
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