なんでタバコの値上げがされるのか?気になる理由と原価の話
タバコは数年に1度増税の対象となり、その度に数十円程度の値上がりをします。
日本でタバコが普及した当初は100円程度だったタバコの値段が、現在はその4倍、5倍です。それでは、タバコの値上がりと増税にはどのような因果関係や理由があるのでしょうか。
今回は、タバコの値段と原価、たばこ税などについてご説明します。
タバコが値上げされる理由
専売制からたばこ税導入へ
タバコの発売当初は国家が利益のすべてを回収できる専売制の下だったため、税金が課されていませんでした。しかし、国による専売制が廃止されると、日本たばこ産業株式会社法によって特殊会社として設立されたJT(日本たばこ産業)に販売権を譲るとともに、たばこ消費税が導入されました。1989年には消費税法が施行されたことをきっかけに、たばこ消費税からたばこ税に名称が変更され、現在に至ります。
たばこ税は、およそ4、5年に1度の割合で20円程度の増税が実施されています。直近の増税では2016年の4月1日以降、1部のタバコが50円近くの値上がりを見せており、今後もタバコの価格は増税に伴い高騰していくでしょう。
たばこ税が増税される理由
5年程度の周期で値上がりするタバコですが、それではなぜタバコ税は度々増税されるのでしょうか。その理由には、「国の税収対策」「喫煙による疾病にかかる医療費の補填と削減」「喫煙の抑止」などの理由が挙げられます。
その中でも、最も大きい理由とされているものが国の税収対策です。喫煙者の中には長年継続して喫煙している方も多く、また1日に2箱などを吸う方もいるため、増税することで比較的容易に税収アップが図れます。
その他にも、喫煙には肺がんやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの発症率が高まるといわれているため、必要な医療費を事前にたばこ税で徴収しているといった見方もあります。あるいは増税によりタバコを値上げすることで、喫煙者のタバコに対する依存を抑制し、医療費を削減する目的という1面もあるといえるでしょう。
タバコの値段と原価・たばこ税の関係
日本では現在、紙巻きタバコが主流となっており、販売価格はパッケージや製造費を含む原価、その他は小売店やJTの利益、そしてたばこ税が含まれた価格となっています。
たばこ税は財務省によって1,000本単位の額が定められています。たばこに課税されている税の内訳は以下の通りです。
税:税額/税率(20本入りで1箱440円とした場合の計算)
1.国たばこ税:106.04円/約24%
2.地方たばこ税:122.44円/約28%
3.たばこ特別税:16.40円/約4%
4.消費税:35.2円/8%
※参照元:一般社団法人日本たばこ協会
現在のタバコの平均価格は400円~500円程度ですが、その内の約65%が税金で、タバコの原価率は約17%です。例えば、上記のように1箱あたり440円のタバコの場合、タバコ自体の原価は75円、税金は286円で、その他に小売店JTへの利益が上乗せされています。
増税されたとしても、基本的に原価が変わることはありません。現在は消費税が8%に留まっているものの、近年中には再度増税が検討されているため、タバコの値上がりは避けて通ることができないでしょう。
おわりに
タバコにはかなり多くの額が課税されていて、原価率はわずか17%程度です。喫煙者の方にとってたばこ1箱にかかるたばこ税は、家計に大きな打撃を与える存在です。
今まで実施されてきた増税ではタバコの価格が20円~100円程度、値上げされていますが、いずれ1箱1,000円の時代が来るとまでいわれています。
ここまでくればタバコによる出費を無視できない方も多いでしょう。これを機に禁煙に挑戦してみても良いかもしれません。
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