2016.12.07禁煙豆知識

なぜ喫煙やめられないの?タバコに含まれるニコチンについての基礎知識

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ニコチンについての基礎知識

タバコに含まれるニコチンやタール、一酸化炭素といった危険性を知りながらも容易にやめられないのがタバコの恐ろしいところです。タバコには「ニコチン依存症」と呼ばれる精神疾患が認められているため、禁煙の難しさが伺えますが、それでも禁煙ができないわけではありません。

 

体に大きな悪影響を及ぼすタバコですが、今回はニコチンの特徴や体への影響、そして喫煙で体内に留まるニコチンを効果的に排出する方法についてご紹介します。

 

 

タバコがやめられない原因物質、ニコチン

ニコチンには強い依存性があります。脳にはニコチン受容体と呼ばれる、ニコチンと結合することで快感を生じさせる受容体が存在し、喫煙時に肺から血中へ入り込んだニコチンはすぐに脳へ到達します。脳のニコチン受容体とニコチンが結合した時に、快感を生むドーパミンが放出されると、喫煙者は爽快感やリラックスを得るため、「もう一度吸いたい」と強く思うようになります。吸いたいと強く思うことが、継続的な喫煙につながり、医療機関では「ニコチン依存症」として喫煙による、悪影響を及ぼす可能性を示しています。

 

ニコチン依存症は精神医学によって、依存症の一種であることが認められています。重度の喫煙によるニコチン依存症の場合は、個人での禁煙が困難なため、禁煙外来での治療が検討されることもあります。

 

タバコに含まれるニコチンによる、体への影響とは

タバコに含まれるニコチンドーパミンの放出によって強い快感が生じるため、強い依存性や中毒性を持つニコチンですが、体に与える影響はそればかりではありません。ニコチンはおよそ2~3日で体内から排出されますが、ニコチン依存の喫煙者はニコチンの排出を待たず喫煙を繰り返し、常にニコチンを体内に取り入れようとします。

 

体内のニコチンが減少すると喫煙者は「禁断症状」を引き起こしますが、その症状として強いストレスやイライラ、集中力が散漫して落ち着きがなくなる、虚脱感により気分が落ち込むといった状態になります。他にも不眠に悩まされたり、不安が拭えなかったり、食生活が乱れるといった生活習慣への大きな悪影響が確認されており、中にはタバコへの依存をアルコールで解消しようとしたケースもあったようです。喫煙が続けば、さらに重度の循環器障害やガンといった病気に発展する可能性があることから、その影響の大きさが伺えます。

 

喫煙で溜まったニコチンを減らすには

溜まったニコチンを減らす喫煙を続けることでニコチンは体内に残り続け、結果的に中毒症状を引き起こしますが、正しい禁煙策を講じることでニコチンを計画的に減少させることができます。喫煙さえ止めてしまえば老廃物と共に自然と排出されますが、喫煙者にとってそれは簡単なことではなく「禁煙を始めたものの3日も持たなかった」というケースが非常に多いでしょう。そのため、複数の対策から自分に合ったものを見つけ、継続しながら体質改善を図ることが大切です。

 


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ニコチンを排出するポピュラーな対策が「運動」です。ニコチンは血中に取り込まれ脳へと運ばれるため、運動をして代謝を上げると発汗や排泄を通じて体外に排出しやすくなります。肝臓や腎臓に溜めこまれたニコチンの排出も促進するため、臓器にかかる負担を低減する効果も期待できます。

 

そして、ニコチンのスムーズな排出には「水」が欠かせません。起床直後と就寝前にコップ一杯の水を飲むようにすると血流が改善され、尿でニコチンの排出を促進する働きがあります。「一服したい」と感じたら、まずは水分補給をすると良いですよ。

 

また、普段から禁煙に効く食べ物を摂取するよう心掛けると良いでしょう。特に効果的な食べ物がビタミンを豊富に含むブロッコリーやショウガ、そしてオレンジといった柑橘類です。ビタミンは新陳代謝をサポートする重要な栄養素ですが、タバコの化学物質は体内のビタミンを破壊するため、喫煙者はビタミン不足になりがちです。ニコチンの排出を促進するにはビタミンの存在が不可欠なので、積極的に摂取しましょう。

 

おわりに

禁煙の重要性を理解はしているがなかなかタバコをやめられない、という方は多くいらっしゃるでしょう。

急にタバコを止めると、ニコチンによる禁断症状を引き起こすため、禁煙治療には日常生活の見直しやニコチンガム、パイプ型禁煙グッズといった代替品が使用されます。通常の喫煙と近い感覚をもたらすパイプ型禁煙グッズは人気が高く、中でも味の変化が少なく段階数の多い離煙パイプは31段階でニコチンを減らしていくため途中で挫折しにくいとされています。自分の体を守るには、早期の禁煙が最も有効とされているため、積極的に禁煙に取り組みましょう。

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